引き続いてブラックスプロイテーションものなのだが、重要作の引き合いにだされるのがといえばメルヴィン・ヴァン・ピーブルズ の「Sweet Sweetback’s Baadasssss Song 」
時代背景を考えると当時は黒人による黒人のための映画は皆無な時代、身銭を切って制作された当時単館映画では年間一位の興行成績を記録した伝説の映画。この映画があったからその後の「黒いジャガー」などの黒人映画を撮影することができた。実際「黒いジャガー」では当初John Shaft役は白人の予定だったがこの映画のヒットをうけて黒人を主演にすることに変更した。ネタバレするので内容はあえて書かないが、低予算のせいか映画としては結構バラバラで撮影が明らかに安っぽいところもある。個人的には名作とは思えないが、その後のムーブメントを考えると重要性は否定できない。

息子のマリオ・ヴァン・ピーブルズ による「Sweet Sweetback’s Baadasssss Song 」の制作裏舞台を映画化した「BAADASSSSS!」を見るとわかる。ちなみにマリオ・ヴァン・ピーブルズはSweet Sweetbackのオープニングにでていた子供です。バッドアス！とスウィート・スウィートバックの公式サイトにこの二本映画について詳しく書いてあります。

ブラックスプロイテーションについてのドキュメンタリーもあるのでそちらを見てみるといいかもしれない。クエンティン・タランティーノや2Pacのお母ちゃんAfeni Shakur（昔ブラックパンサーの活動をしていた）からパム・グリア、フレッド・ウイリアムソンといった出演者、映画監督、評論家など様々なメンツのインタビューを含む短期間ではあったが70年代に爆発的な力を持っていたブラックスプロイテーションの歴史を振り返るアイザック・シュリアン監督によるドキュメンタリー。一部の映画のネタバレあります。